女性いきいき大賞 第16回表彰団体紹介





受賞団体
最優秀賞(山口県知事賞)
特定非営利活動法人 もりのこえん
(子育て分野/山口市)
活動の動機
東日本大震災をきっかけに、大量に生産して大量に消費して、それが豊かだという価値観。それを次の世代に伝えていくことが大人の役割なのか、ということに疑問に持ち、子どもたちがこれからの新しい未来を生き抜ける力をつけていける保育がしたいと、もりのこえんを起ち上げた。
活動の目的

子どもとその育ちに関わる全ての人に対して自然体験活動を主とした子育て支援に関する事業を行い、子育てを支え合い、誰もが尊重され生きる喜びを感じられる社会を目指すことを目的とする。
活動の内容

保育事業を中心に、全ての世代に対する自然体験活動を実施。
自然環境を守り持続可能な社会を実現することを目指し活動。
子どもたちが自分で気づき考え行動できるよう見守り、自然の中で過ごすことで自然を大切にする心やふるまいを学びながら、自然の中で存分に子ども時代を楽しめるよう過ごしている。また地域の皆さんと共に地域の自然環境美化や保全活動を行っている。
-
1.子どもの自然体験事業「森のようちえんもりのこえん」「土曜学校 天花の森舎」
「子どもサバイバル12months」 -
2.家族の自然体験事業「0歳からのアウトドア」「暮らしの森舎」
-
3.自然体験の知識を学ぶ事業「自然体験活動入門講座」
-
4.昨年度からは、上天花町になくてはならないもりのこえんになる!を合言葉に地域交流を事業化。また、2021年12月よりフリースクールも開講。子どもたちが自分で気づき行動できる場を提供する
これからめざしたいこと
経済価値がないといわれる山村で、新しく’森’を次世代育成、教育の場として活用するという森のようちえんのあり方は、過疎化に悩む’田舎’に光を当てるものではないかと思っている。子どもたちが森に入ることで、森の風景が変わり、保護者やスタッフが森林整備を行う等、森や自然と良い関係ができつつある。自然の中で過ごすことで、子どもたちは持続可能な社会の実現に必要な考えが自然と身に付いていく。また、拠点である地域の耕作放棄地や人口減、高齢化等、地域の課題解決に寄与できるような仕組みづくりを行っていきたい。加工品を作ったり食事の提供ができるようにし、地域の雇用を生み、保護者や地域の人が自由に交流できるスペースづくりなど夢は広がる。
優秀賞(朝日新聞社賞)
NPO法人 青い鳥動物愛護会
(地域づくり分野/防府市)
活動の目的
人間の都合で劣悪な環境に置かれていたり、殺処分される犬猫を目の当たりにして、貴い命を1匹でも救いたいと思った。保健所で殺処分寸前の犬猫を保護し譲渡につなげ、家庭へ送り出すことにより、犬猫だけでなく人も幸せになることを目的としている。
活動の内容


-
- 防府市の保健所から、期限日に残っているすべての犬猫を引き取り、譲渡につなげる。これまでに約2800匹を受け入れ、2400匹以上を譲渡につなげてきた。年間約370匹を受け入れ310匹を譲渡している。
- 犬のシェルターは防府市佐波川沿いに設け、現在100頭の犬がいる。ボランティアとスタッフによって毎日の体調管理、餌やり、散歩を行う。人なれしていない野良犬はリードをつけての散歩が難しいため、併設のドッグランで運動する。リードをつけて散歩ができるように少しずつ訓練をして、リードをつけられると譲渡対象となる。
- 猫のシェルターは、個人所有の3軒の家を活用。現在180匹の猫がいる。子猫や人になれている猫、野良猫、病気の猫など様々。犬と同様、猫担当のボランティアスタッフが毎日の体調管理、投薬、えさやり、掃除など猫に声をかけながら作業している。
- 生まれたての犬猫はミルクボランティア宅に委託し、生後2~3か月程度になるまで育成し譲渡につなげる。人なれしていない犬猫はシェルターで受け入れ、ボランティアとスタッフで愛情をかけながら世話をし、心を開いてくれるよう日々努力している。
- 犬の譲渡会を月に1回、猫の譲渡会を毎週日曜日に道の駅等で開催する一方、SNSでも広く呼び掛ける。健康チェック、しつけをし、譲渡後も連絡を取り合いながら一生サポートしていく。
これからめざしたいこと
善意の寄付金やえさなど支援物資もたくさんいただく。しかし、ワクチン接種代や薬代、えさ代など支出は、はるかに収入を上回っている。お金があれば、防府市以外の地域の犬猫たちも助けられるのだがとは思うが、今はこの現状で精いっぱい。
2016年2月より防府市保健所に収容された犬猫の殺処分ゼロを継続し、ひいては山口県の殺処分ゼロをめざしている。物言わぬ、弱い命を救うために今後も活動していきたい。
優秀賞(yab山口朝日放送賞)
特定非営利活動法人
チャイルドハウスひなたぼっこ
(福祉分野/光市)
活動の動機・目的
障がい児の放課後等デイサービスと日中一時支援が中心だが、立ち上げ当初から不登校児支援を入れ込み、障がいのあるなしにかかわらず受け入れをしている。障がいというのは病院の診断が下り、何らかの病名がついて初めて障がい児となるが、診断のない(心のケアが必要な)不登校児童のお子さんも支援が必要と感じた。1年・2年と事業を行う中で、不登校の問題は避けて通れぬ問題と強く認識するようになった。不登校を克服した保護者や当事者からの聞き取りで、学校に行くべきなのに行けない、その焦る思いと戦う中で救いになったのが情報と安心の場があるということだったそうだ。他市では行政の管轄のフリースクールや適応指導教室などが、安心の場ではあるが、光市にはそんな場所がないことから不登校児童支援ぽっかぽかを立ち上げた。
活動の内容


-
-
不登校支援サービス「ぽっかぽか」
不登校や行き渋りの子どもたちに、学校や社会への復帰・自立に向けてのサポートをする。生活意欲や学習意欲を高めるため個々の趣味・関心に応じて幅広い活動を用意している。-
・クッキング
献立を考え、買い物、昼食づくり、食事、片付けまで、
自分たちで頑張ってみよう
-
・創作活動
季節に応じた物づくり、花壇の名札づくり、集中力を
高めるための工作、ぬりえ等 -
・奉仕活動
当事業所・自治会周りの清掃、お年寄りの相手、未就園児の相手等・園芸活動、
冬野菜作り、花の苗植え等 - ・魚釣りにチャレンジ
-
・クッキング
-
不登校支援サービス「ぽっかぽか」
これからめざしたいこと
何らかの理由により学校に行けず、苦しんでいる子どもたちがいる。いじめのみならず、家庭環境、親子関係、友達関係、先生との関係、学習困難、本人の特性…理由は様々。その子どもたちも環境さえ整えば、学習することもいろいろな体験をすることもできると考える。ただ、在籍している学校では、それが難しいこともある。今、現在、光市では、不登校児童は学校以外の場所がない。学校もしくは自宅かの選択肢しかない。個人に寄り添い、段階を踏んで支えてくれる環境が必要。他市にはフリースクールや適応指導教室や不登校支援センターなど親子が安心できる居場所がある。光市にもぜひそんな居場所を作りたい。そして一人でも多くの子どもたちが社会復帰をし、自信をもって人生を楽しめるように支えていきたい。
優秀賞(山口新聞社賞)
異世代交流子育てサロンasis
(くらしづくり分野/周南市)
活動の目的
asis(アズイズ)とは、「ありのまま、そのまま、飾らない」無理をしないで柔軟にという意味がある。その言葉通り、誰もが自分らしく自然体で居られる居場所づくりを目指している。そして困りごとをお互いに助け合える地域になるように、「鹿野を大家族にしよう!!」と企んでいる。
活動の内容


-
1.地域食堂「鹿野ふらっと食堂」
誰もがふらっと来て、みんながフラットにできる場所。食材はフードバンク等を利用し、地元企業からの支援や助成金、寄付を活用している。300~450食を提供。同時に、訪れた人たちに向けてフードパントリーも開催。 -
2.フードパントリー
上記とは別に、「ふる里マルシェかの」の店先で、買い物に訪れた人たちに保存食を配布。「足が悪くて買い物に出られないお隣さんに持っていってあげよう」等のやり取りをして、近所・知り合いで助け合うきっかけをつくり、つながりづくりの一助となる。 -
3.宅食
年に2~3回程度、地域の民生委員と協力し、雪や病気で
お店へ行けない、店まで遠い、車の運転をしていない、忙しくて余裕がないなどの困りごとを抱えた、ひとり親家庭・介護世帯・90歳以上の高齢世帯へ保存食等を届ける。 -
4.あったカフェ
鹿野に住む女子をつなぎ、楽しく笑顔になれる時間を提供するお茶会。ママ友同士、子育てや家事を忘れて、お茶を飲みながら、自分らしさを取り戻すための時間を楽しむ。 -
5.かくれがマルシェin鹿野
2021.7より月に1回、鹿野地域にあるお店(パンや、農家レストラン、カフェ、花や、靴屋等)と他地域からハンドメイド等のお店が参加し、鹿野に多くの人を呼び込もうと開催。合言葉の「かくれが」で、各店舗の限定商品が手に入る。「鹿野にはこんな素敵なお店があるんだよ」と「巡り型」のマルシェで、鹿野の良さをアピールする場を地域住民と一緒に作り上げている。
これからめざしたいこと
結婚を機に鹿野に移り住んで、「鹿野は水も空気も空もきれい。夜空も星も蛍も雪も最高。なんて魅力的」と感じた。もともと、鹿野に住んでいる人たちにとっては当たり前のことだったが、改めて鹿野の魅力に気づき、たくさんの人に訪れてもらい、知ってもらい、好きになってもらいたいと感じている。私たちは、おせっかいなおばちゃんになって鹿野地域をどんどん発信していきたい。
コープやまぐち奨励賞
セレーノ四つ葉
(肢体不自由児・者/親と仲間の集う会)
(福祉分野/宇部市)
活動の動機
肢体不自由児やその他の障害がある子どもの育児は健常児の育児と非常に異なり、地域社会との交流も少なく不安やストレス、孤立感を感じやすい。また進級進学、将来的には親亡き後の子どもたちの生活など悩みが多い。保護者が1人で抱えがちな不安や悩みを共有し解消する場所、また多世代の保護者との繋がりを継続する事で、誰かが誰かの指針となれる場所つくりが必要と思い会を立ち上げた。セレーノとはイタリア語で「晴れた」「晴れ晴れとした」…の意味。ここに集う誰もが心が穏やかに晴れわたってゆくようにと名付け活動している。
活動の内容


定例会では会員の困りごとや、やりたい事などを聞き取り、勉強会や研修会、施設見学、啓発活動などを行う。
-
1.地域連携推進:災害時に取り残されることのない安全な避難についての学習及び居住地域への連携提案・地域における共生社会への学習と提案などを行う。サポーターを募り交流し地域社会への参加が行えるようにする。また依頼があった講演活動やボランティア活動も実施している。
-
2.バギー型車いす認知度アッププロジェクト
ベビーカーと間違われやすい「バギー型車いす」が公共交通機関はじめ様々な場所で「車いす」として適正な福祉的配慮を受けることができるよう周知活動を行い、誰もが外出しやすい社会の一助につなげる。 -
3.きょうだい児の育成・ネットワーク作りプロジェクト
どうしても障害のある子どもに比重が偏りがちであるが、その兄弟たちが抱える悩みや特性などを学びきょうだい児の健やかな育児につなげる。またきょうだい児が悩みや困りごとを保護者でなく、同じ立場の者同士で相談しあえるネットワークの構築を目指す。 -
4.着物で成人のお祝いをしようプロジェクト
障害があるため、地域の成人式に出ることが難しくあきらめているご家族が多い事を受け、車いすの子どものための着物作成や着付けについて学び、セレーノで式典を企画中。
現在は式典当日へむけて採寸、着物修正、着付けなど実施中。晴れ着を着た子どもとご家族の晴れの門出を沢山の笑顔で祝福したい。
これからめざしたいこと
我が子に障害があるとわかった時に受け止めて前に進む為には分かり合える家族や仲間、地域社会の理解や支えがとても重要。セレーノ四つ葉では今後も障害のある子どもと家族、また周りに集う人々が充実した日々を送る為に、保護者の不安や悩みを解消する定例会やSNSでの交流を実施し、よりよい将来にむけて前を向いて歩ける友情を増やしながら繋がる事で孤立することのない居場所つくりを目指す。そして誰もが思いやりと笑顔に溢れた共生社会に向けての一助となる活動を続けたい。
コープやまぐち奨励賞
周南市安田の糸あやつり人形芝居保存会
(地域づくり分野/周南市)
由来
正式に文書は残っていないが、安田の糸あやつり人形芝居は、江戸時代末期に四国、阿波徳島の藍染商人、松尾何某が安田の市で、商いの傍ら人形を手作りして村人に浄瑠璃を教え伝えたのが起源とされている。戦後、昭和21年に保存会が結成され、昭和51年には、5本の糸で操る人形芝居が山口県無形民俗文化財に指定された。活動歴は、75年。
活動の目的

-
- 周南市安田地区に江戸時代から伝わる「周南市安田の糸あやつり人形芝居」の保存と継承活動の一環として、この伝統芸能を地域の子どもたちに伝承すること。
- 子どもたちの郷土への関心と豊かな人間性を育てること。
- 子どもたちが生き生きと活動する姿を見せることで、地域の交流・活性化を図ること。
活動の内容

-
1.公演活動
平常時であれば、年に10回前後の公演活動を行っているが令和2年よりコロナ禍の影響で、予定していた公演は、何度も中止せざるを得なかった。 -
2.継承活動
1)三丘小人形浄瑠璃の会
5~6年生を対象に、週に1回総合学習の時間を使って、
「人形遣い」「浄瑠璃語り」「三味線」の技を伝承。
2)放課後子ども教室
4~6年生を対象に、月に1回開催。過去に自分たちが作った人形をもとに
「糸あやつり人形」「発声」「三味線」「振付」「効果音」「脚本」等をオリジナルの芝居にして全校朝会で発表。 -
3.他団体との公演交流
2019年、「出雲あやつり人形」が70年ぶりに復活をした。2016年より、当団体が人形を貸与し、技術指導を継続支援し、2019年8月の共同公演では、互いの絆と伝統継承を誓い合った。
これからめざしたいこと
熊毛三丘に、移住してきた家族もいるので、地域の人にも人形浄瑠璃の魅力を改めて知ってもらいたい。小学生も大人になって、三丘を離れる人もいるかもしれないが、またふるさとの素晴らしさとともに浄瑠璃のもとに戻ってきてほしいと伝えていきたい。保存会の灯を絶やさず、新たな展開を生み出せるよう、会員一同これからも力を合わせていきたい。
コープやまぐち奨励賞
アレルギーっ子の会ぽれぽれ
(子育て分野/山口市)
活動の目的
食物アレルギーへの理解を深めること
子どもの食物アレルギーに悩む母親同士の情報交換や話の出来る場所づくり
活動の目的


食物アレルギーの子どもを持つ母親が主体のおしゃべり会は、アレルギーに関する情報交換や、日ごろ抱えている悩みなどを、みんなで話すことで気持ちを共有し、少しでも気持ちが軽く前向きになる場所となっている。
-
1.アレルギー対応調理実習
年に1~2回参加者のアレルゲンに対応した調理実習を行う。災害時でも簡単にできるポリ袋クッキングを子どもたちも一緒に挑戦。日頃は、同 じものを皆で食べることができないので工夫して皆が食べられる食材を使う。おいしく食べることはもちろん、自分と同じように頑張る子がいるんだと励みになり、他の子に配慮することも学ぶ。 -
2.アレルギーっ子の防災
アレルギーがあると大きな災害にあったとき、避難所で配給されるものはアレルゲンが使われていて食べられないものである可能性が高く、炊き出しの材料に何を使っているのかわからなければ口にすることができない。
まずは自助としてアレルゲンに合った備蓄をすること、周りの人に知っておいてもらうことなどを当事者に啓発。
また、アレルギーはわがままではない、命にかかわることであることを理解してもらい、助けてもらうことができるよう呼び掛ける。
2021年、他団体との共催で「アレルギーっ子のための避難所支援を考える」イベントを3回シリーズにわたって開催。アレルギーっ子当事者、家族、給食調理員、婦人会、医師、行政など、様々な立場の人がかかわる中で、アレルギーを知り、配慮できる実践につながった。
これからめざしたいこと
これまで同様、お母さんたちの悩みを少しでも軽くできるようおしゃべり会を継続していく。子どもたち自身のアレルギーに対する知識を高め、自分で自分の身を守る力をつけることができるような企画を考えていきたい。
防災に関しても、今年度行ったイベントを活かして、より広く、いろいろな立場の方にアレルギーについて理解してもらうことができるような活動をしていきたい。
コープやまぐち奨励賞・
学生の部
山口県立大学看護栄養学部栄養学科
食育系課外活動お弁当の日プロジェクト
(地域づくり分野/山口県立大学)
活動の動機・目的
県立大学の「お弁当の日プロジェクト」は、13年前、若者の食の乱れを憂いた栄養学科の学生有志により、2008年4月に始まった。まず自分たちの若者の食意識を高めることが、自分自身の一生涯を通じた健康を支え、また次世代の子どもたちの食をよりよくしていくことにつながることから、大学生を中心とした若者を対象に、食意識の向上と食生活の改善を目指す食育活動の実践を目的としている。
活動の内容



-
1.お弁当の日の開催
目的:食の自立に向けての支援として、大学生が台所に立つ機会を設ける。
内容:月に2回、テーマに沿ったおかずやご飯を1人1品タッパー1つ分持ち寄り、それを囲んでおしゃべりしながら食べる。テーマは「おもてなし」「ジブリ」「令和」「ワールド」など様々。 -
2.2010年「お弁当の日プロジェクト」を発足
目的:食にかかわるイベントを企画・運営することを通して、学生はじめ地域の人たち(高校生・大学生・一般の方々)に食の大切さを伝え、さらに食と命について考える機会を持つこと。
内容:地元の食生活改善推進委員と一緒に料理教室、山口県酪農乳
業協会とのコラボ企画、過去には、山口県ならではの食文化
が学べる企画、県産品をふんだんに取り入れたメニューの料理教室等を企画・実施。
コロナ禍での活動
定期的に開催されていた「お弁当の日」が中止になる中、前年度に食生活推進改善委員と一緒に行った料理教室「一切合切常備菜~お弁当にも入れなさい~」のレシピ集と動画制作に取り組んだ。完成したレシピ集と動画は食生活改善推進協議会へ提案し、それぞれ
の料理教室で活用してもらえるよう配布。
また、さらに2021年度は山口市の若者の食生活における問題点の改善に取り組んだレシピ集と動画の作成にも取り組んでいる。
これからめざしたいこと
食に関するワークショップや活動を通して、地域社会への理解を深め、食を通して地域社会への貢献を積極的に行っていきたい。料理教室など参加者に楽しんでもらえる企画を実施することで、自分
たちの成長につながることを伝えていきたい。
コロナ収束の折には、「お弁当の日」を復活させ、他の学部の学生にもかかわってもらい、料理を作る楽しさ、一緒に食べる楽しさを実感してもらいたい。
コープやまぐち組合員賞
錦町林業振興会女性部会
(地域づくり分野/岩国市)
活動の動機・目的
山口県が農山村の女性を対象に、「女性も森林を育てる一因として、林業にかかわろう」との目的で、林業技術を習得する教室「婦人教室」を昭和54年に開催。この時の受講生によってグループが結成された。山林内の植林、下刈り、枝打ち等をする中で、山林内の雑草の有効利用を考え、つるかご編み、草木染めを始める。林業女性の自立をめざす。
活動経緯と内容


-
- 昭和59年:婦人林業教室を経て、錦町婦人林業研究会として発足
-
昭和63年:つる細工の制作、販売に着手草刈りや枝打ちなどをする中で、
作業途中に邪魔となる「蔓」を加工し細工物として販売を始める。 - 平成6年 :草木染めの制作、販売に着手草木染めを行うことで森林に人が入り、きちんと手入れが行われる。
- 平成10年:「草木染め工房なないろ」を構える
- 平成16年:やまぐち森の恵みネットワークを設立、ネット販売
- 平成18年:やまぐち農山漁村女性起業ネットワークに加入「草木染め」がやまぐち農山漁村女性起業統一ブランドに認定される。
-
地域とのつながり
-
・ピュアラインにしきで第3日曜日に出張販売、にしき産品ステーションに販売委託。草木染のハンカチ、スカーフ、帽子、のれん、ストールなどを販売。
-
・老人会やJA婦人部などの各種団体、都市部修学旅行生の受け入れ、地元小学生の体験交流多数。
-
・ふるさと祭り、節分祭り、清流線錦町駅などの地域でのイベントに参加。
-
・岩国地区林業女性部会(美和町、錦町)合同による料理教室、木工製品づくり等。
-
これからめざしたいこと
毎月の例会を通して、会員同士の親睦と情報交換を行っている。草木染めはやればやるほど奥が深い。たくさんの人に工房を訪れてもらい草木染めの魅力を感じてもらって、世界に一つだけのオリジナル作品を手に入れてほしい。草木染めとともに、錦町の素晴らしさも知ってもらい、地域活性化の一助になればと思っている。
コープやまぐち組合員賞
おはなしクレヨン(子育て分野/山口市)
活動の動機
2000年に子ども読書年が制定され、山口市立大内小学校より、「地域の先生を」との要請を受け、定期的に読み聞かせに入ることになった。
活動の目的

- 子どもたちが本に興味を持つきっかけになること
- 創造力豊かな子どもたちが人生を生き抜く力を身に着けること
活動の目的


-
1.以下の3か所で読み聞かせ等を開催、継続
-
・山口市立大内小学校(21年間継続)
毎週金曜日の朝、11学級、約300名を対象。低学年は毎週・中学年は隔週・高学年は学期に1~2回。絵本や紙芝居、ペープサートなどを実演。 -
・山口県立育成学校(15年間継続)
毎週水曜日の朝、8~10名を対象。絵本や紙芝居、ピアノ演奏などを行う。 -
・おさばファミリークリニック通所リハビリテーション
ひばり園(15年間継続)
月に4回午前中、14~15名対象。童謡、絵本、紙芝居、 手遊び、体操などを行う。
-
-
2.スキルアップ研修
年に1回程度、アナウンサーの方や図書館の司書に依頼して、選書の仕方や本の持ち方、めくり方、読み方等の指導を受ける。新しく入ってこられたメンバーには、長くかかわっているベテランメンバーから伝え学んでもらう。
活動に寄せる思い
主となる大内小学校での読み聞かせ活動は、授業前の貴重な時間。21年間続けてこられたのは、会員だけの力でなく、学校の先生方の熱い思いが活動を支えてくださったことは言うまでもない。このコロナ禍にあっても「読み聞かせは心の教育」と捉えてくださっている先生がたに感謝している。今の子どもたちは、ゲームやバーチャルの世界に身を置いているからこそ、肉声を届けることの意味は大きい。いつの日か、読んでもらった本やお話が、子どもたちが生きていくための心の支えになると信じている。また、高齢者の方に絵本を読む必要性は時を追うごとに実感している。昔のこと(故郷・父母・家族・友)を思い出すことで脳を刺激し笑顔が増えていく。読み手の私たちも笑顔になり、教えられることも多く楽しいものである。
これからめざしたいこと
「それぞれのライフサイクルに合わせ、できる時に、できる範囲で、楽しく」をモットーに、無理なくこの活動と思いが、いつまでも継承され、多くの子どもたちが本に親しんでくれることを願う。
コープやまぐち組合員賞
錦ホープの会
(福祉分野/岩国市)
活動の動機
山口県には全国組織の患者会である「全国パーキンソン病友の会山口県支部」があり、会合などで顔を合わせることはあったが、ゆっくり話すこともなく、地元岩国では一度も集まることがなかった。近場で同じパーキンソン病患者同士が気軽に集まり交流できる場所を作りたいと思ったのが設立のきっかけ。
活動の内容


-
1.錦ホープの会交流会開催(毎月第4日曜日)
-
・第1回目の交流会以降、定期的に集まりたいという要望が多数寄せられ、3~4か月に1度が2か月ごとになり、今では毎月1回の開催となっている。
-
・患者当事者と介護者が参加。近況報告や情報交換の「座談会」、機能改善訓練、音楽療法、ヨガ療法などの「リハビリ」、闘病生活のストレス発散と、発声のためのリハビリを兼ねた「カラオケ」、その他季節に合わせた行事等、会員のやってみたいことを中心に開催している。
-
・交流会開催の前には、企画運営のために「錦ホープの会ネット」を開催して準備を行う。交流会の案内状の作成と発送、買い出し等の当日準備、会報の発行など有志で行う。
-
-
2.国会請願
年に一度パーキンソン病患者への難病対策の推進にかかる請願のための署名活動や募金活動を行う。
-
3.パーキンソン病講演・相談会
岩国病院の神経内科のドクターの声掛けで始まり、年に1回病院と会の共催で行われる。毎年恒例で過去7回開催されているが、周南市や柳井市からも参加がある。
これからめざしたいこと
治療法のない難病患者は社会や周囲から支援を受けなければ生きていくことはできない。パーキンソン病患者にとっても同様で、病気が進行することはあっても治ることはない。様々な症状に翻弄され、薬との折り合いをつけながら日々格闘している。見ただけではわかりにくい症状も多々あり、病気での困りごとや症状が理解されないことも多い。精神的にも孤立してしまいがちの患者や介護者の会が、その場しのぎのコミュニティではなく、また支援を受けるばかりの立場としてではなく、地域や社会に何かを発信し、貢献できる存在になりたい。情報を届ける形として、口コミに頼っているが、SNSにも取り組み、多くの人とつながっていきたい
選考委員長講評
梅光学院理事長・梅光学院大学学長
樋口 紀子
「女性いきいき大賞」は今回で16回目を迎え、これまで559もの団体が応募して下さっています。
今回の応募団体は25団体で、数としては今までで一番少ないですが、むしろコロナの中で活動を継続している団体の 中から25もの団体が応募して下さったととらえています。
コロナ禍で活動を制限される中、対策を取りながら工夫して活動を実施しておられることや新規応募団体(16団体)が多かったことも今年の特色です。
1次選考では15団体にしぼり、2次選考で優秀賞4団体を、その中から最優秀賞を選びました。評価基準は活動の継続性、地域への広がりやその影響力、独自性、今後の可能性等です。
最優秀賞は厳正な審査の結果、「特定非営利活動法人もりのこえん」が選ばれました。7年間の活動歴の中、毎年着実に活動がステップ・アップしていることが評価されたからです。奨励賞の3団体も今後の活躍が期待されるということで選ばれました。また、学生の部では「山口県立大学看護栄養学部栄養学科 食育系課外活動お弁当の日プロジェクト」が受賞しました。13年間の活動歴と食育を高校生にも広めるという活動が評価されたからです。
なお、最優秀賞、優秀賞団体の授賞理由は以下の通りです。
「特定非営利活動法人もりのこえん」
(最優秀賞:子育て分野/山口市)
活動の中心となる野外教育は、過去の応募団体に例をみないタイプのもので、自然の中での子育て及び教育は、持続可能な社会にマッチしたものであると同時に、毎年活動が広がっていることは、社会のニーズにも即したものであるととらえることができ、他の団体の活動のモデルケースにもなると思われ、最優秀としました。また、活動内容の詳細を見ると、森の中で元気に、いきいきとしている子どもたちの様子を見てみたい気持ちにさせてくれます。
「NPO法人青い鳥動物愛護会」
(優秀賞:朝日新聞社賞・地域づくり分野/防府市)
防府市の犬猫の殺処分”ゼロ”はこの団体のおかげです。捨て犬や捨て猫が社会問題にもなっている中、モノを無駄にしない、簡単に捨てない、命を粗末にしないというのは、まさにSDGsの考え方と言えます。このような団体の活動を子どもたちに伝えていくことは大切で、この団体が行政の取り組みを引き受けているという点も考慮し、地域づくり分野で高く評価しました。
「特定非営利活動法人チャイルドハウスひなたぼっこ」
(優秀賞:yab山口朝日放送賞・福祉分野/光市)
この団体は3年前にも「優秀賞」を受賞した団体です。その時は障がい児を対象にした放課後等のデイサービスの提供でしたが、年月を重ね、活動を継続する中、心を病む不登校児にも支援活動を広げたこと、行政や学校に声をかけ合いながら、福祉と教育の橋渡しの役割を努め、親や子どもの安心な居場所づくりに奔走している活動が評価されました。
「異世代交流子育てサロンasis」
(優秀賞:山口新聞社賞・くらしづくり分野/周南市)
活動歴は3年と短いですがコロナという制限のある中、鹿野地域の魅力を最大限にアピールしようと様々な取り組みをしていることを評価しました。また、地域住民のために食堂やカフェを開くだけではなく、他の地域から鹿野に人を呼び込むための「かくれがマルシェ」などの活動の工夫も評価されました。コロナ禍にあっても思わず出かけてみたくなる活動内容であると思います。