女性いきいき大賞 第17回表彰団体紹介





受賞団体
最優秀賞(山口県知事賞)
Kananowa
(子育て分野/下関市)
活動の動機
PTA活動にかかわる中、学校での子どもたちの様子を垣間見るたびに、「何かできることはないか」「でも私一人の力で何ができる」とジレンマを抱えていたけれど、35歳という若さで亡くなられた教師の荒木佳奈さんの手記を読むことで、佳奈さんの思いやメッセージを伝え、実際に行動に移していくことを決意。佳奈の輪=「Kananowa」を立ち上げた。
活動の目的

命の大切さを伝えながら、その子が本来持っている可能性を育み、未来へとつなげていきたい。そのための学びと実践について地域に発信していくことを目的に活動していく。
活動の内容

親や学校の負担を軽減して、子供たち一人ひとりに寄り添う以下のような、照子親(てらこや)活動を展開している。
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1.中学生を対象とした夜の勉強会(補充学習の場)
代表の自宅を開放して、ほぼ毎日行われる。地域のお母さんボランティアによる夜食もふるまわれる。9月からは受験生を中心に「受験生がんばれ!夜の勉強会」を毎日開催。 -
2.夏休み勉強会(7/21~8/24平日、ほぼ毎日)
午前中は小学生から中学生、午後は中学生を対象に現役やOBの先生、高校生、大学生、地域の大人が勉強を教えに来てくれる。 昼食は120~150食程度のお弁当を毎日、地域の保護者や、卒業した高校生らが作る。 -
3.子供たちだけで参加できる自然体験活動の場の提供
魚釣り、たけのこ掘り、宿泊学習でのカヌー体験など。 -
4.学校や地域、まちづくり協議会と連携した活動
・Happiness食堂 学校の家庭科室を活用して、中学生がお弁当を作る。
・Happiness学習 小学生は、お弁当が出来上がるまでの間、地域のボランティアに教えてもらいながら勉強をする。
・「花いっぱい運動」「赤い羽根共同募金活動」「ハロウィン仮装卓球大会」などに参加。
これからめざしたいこと
場所は学校が提供、食事作りや学習支援は地域のボランティア、資金や足りない人材援助は地域社会や行政が助ける。こうしたコミュニティスクールの仕組みをより広い地域で活かしていくと同時に、地元の企業とも手を携え、産業や職業に興味をもって「この街にいたい」と思う子供たちを一人でも多く育てていきたい。
優秀賞(朝日新聞社賞)
特定非営利活動法人ふらっとコミュニティ
(福祉分野/宇部市)
活動の目的
さまざまな生きづらさを抱えた人たちが住み慣れた地域の中で安心して暮らせるような地域社会づくりをめざしている。精神障害者やひきこもり者の居場所支援、リカバリー支援などの実践を通して地域保健福祉の向上、地域ネットワーク作りに寄与することを目的とする。いつでもだれもがふらっと訪れることができ、ほっと一息つけるような場所、心を傷めた人たちが安心できる拠り所になれるような支援を目指して設立した。誰一人として社会から孤立しない地域づくりを目指している。
活動の内容


さまざまな生きづらさを抱えている人が、その人らしい生き方ができるような支援をしている。当事者の夢や希望を中心にしたストレングス支援、本人の持っている力をエンパワーする支援によって、人生そのものを回復するリカバリーを促進する支援を目指している。
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1.日中一時支援事業(宇部市・山口市・山陽小野田市・美祢市・防府市より委託)
・宇部市に『ひだまり』、山口市小郡に『ひより』を開所
・「行き場」「生き場」「活き場」としての機能を果たし、地域に根付いた活動となっている。
・レクリエーション、セミナー、日帰り旅行、茶道、手工芸、パソコン、化粧教室、SST、WRAPなど開催 -
2.ひきこもり者とその家族の伴走型支援(宇部市・山陽小野田市・山口市より委託)
・相談窓口の設置(予約制):家族や支援者からの相談
・家族心理教育基礎編(3日間):年に2回開催
・家族心理教育実践編(1回/月):火・木・土・日AM・日PM、夜の6グループ
・アウトリーチ、居場所支援、社会参加支援、当事者会
・家族会:陽の杜(はるのもり) -
3.啓発活動:フォーラム、講演、新聞、パンフレットなど
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4.教育・研究:山口大学医学部保健学科、山口大学大学院教育学研究科の学生実習を引き受けている。
これからめざしたいこと
ひきこもり支援は、県(精神保健福祉センター・保健所)から市町中心へと移行した。しかしながら、その支援体制は十分といえない。生きづらさの多様性・複雑性、行政の縦割りによって支援が行き届かないといった課題もある。ひきこもりの長期化、親の高年齢化に伴う「8050問題」への取り組みに注力していきたい。
優秀賞(yab山口朝日放送賞)
阿東を盛り上げたい
女性のネットワーク(あともり)
(地域づくり分野/山口市)
活動の動機・目的
代表は、2016年山口市地域おこし協力制度を利用し山口市へUターン。2019年に、阿東のリンゴを使った「やまぐちシードル」を創業。その過程で、地域の様々な人と知り合い交流を深め、阿東では女性のつながりが希薄になっていることから、若い世代の女性の情報交換、交流の場を定期的に開催しコミュニティを形成するために結成した。阿東に関心を寄せる女性が阿東地域内外から幅広く参加。横のつながりを作ることでそれぞれの活動やアイデアを 具現化させ、新たなにぎわいを生むことを目的としている。
活動の内容


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1.毎月の交流会(女子会)
毎月1回テーマを変えて阿東地域で実施。週末に限らず、平日や昼間、夜の開催など多くの人が参加しやすいよう工夫している。
・リンゴのお花見ピクニック(ファミリー参加)
・山の上で夕涼みヨガ
・伝統行事「トイトイ」のわら馬ストラップ作り
・船方農場で焚火女子会
・地域の先輩に学ぶ味噌づくり 等 -
2.学習会の企画・実施
女性起業や情報発信をテーマに、会員だけでなく広く一般市民を対象とした学習会を開催。 -
3.地元農産物や手作り品を販売する「とまり木マルシェ」を船方農場で開催
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4.地域イベントへの出展
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5.メンバーそれぞれの興味関心をもとに仲間を募り、様々な分科会(部活動)で活動
・マップ部:女性の視点で阿東を五感で楽しむ四季マップを作成・配布。「思わず手に取りたくなる」デザインに
・インスタ部:観光情報だけでなく阿東の四季折々の暮らしを発信し、阿東の新たなファンを増やす
・農楽(のら)部:農業に関する情報を交換する 等
これからめざしたいこと
メンバーそれぞれのスキルや興味関心をベースに、気軽に参加できる交流の場を継続し、その中から生まれた「やってみたい」を形にしていきたい。まずは自分たちが阿東暮らしを「楽しむ」ことを大切にしたうえで、情報発信を通じて阿東に関心を寄せる人を増やしたい。より幅広い女性のプラットファームとしてあともりを活用してもらえるよう、多くの人を巻き込んでいきたい。
優秀賞(山口新聞社賞)
チャイルドラインしものせき
(くらしづくり分野/下関市)
活動の目的
子どもたちの生の声を聴くことを目的とする。チャイルドラインは、子どもの権利条約の理念に基づき、子どもの「声」を受け止めることで、子どもがありのままで安心できる心の居場所を作る。チャイルドラインは、18歳までの子どもの「声」を聴き、その気持ちに寄り添う活動である。また受け止めた「声」を社会に発信し、子どもが生きやすい社会を目指している。チャイルドラインは、子どもファーストの活動であり、子どもが主役。子どものどんな声でも思いを受け止め一緒に考える。
活動の内容


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1.電話応対
全国68団体がネットワークを組むことで、子どもたちの「声」を毎日受け止めている。しものせきは、毎週木曜日の16時から21時を受け持つ。電話を受ける「受け手」とそれを支える「支え手」に役割が分かれており、活動終了後、記録やふりかえりを通し対応の向上に努める。 -
2.養成講座(対面による講座とオンライン講座)
活動の新たな担い手の養成や現会員の研鑽を重ねることだけを目的とするのでなく、一般の方々にも今の子どもの現状を知って、子どもの「声」に耳を傾ける大人が一人でも増えてほしいという思いで、毎年継続開催している。
・キックオフ講演会『子どもたちの健やかな育ちを地域で支える』
・上記を皮切りに2022年度第1回から7回までの養成講座を開催『いまドキッ!の子どもたち』、『不登校の 子どもたち』、『子どもの性・性の多様性』など -
3.カード配布
周知のため市内の小中学生へフリーダイヤルを記入したカードを配布。
成果
全国のチャイルドラインでは、2021年度16万件の電話を受けて4万6千の「声」を聴いてきた。具体的なことではなく「気分の落ち込み」「自信のなさ」などモヤモヤした自分自身のことを訴える子が大半な中、自殺を考えている子ども、ヤングケアラーや子どもの貧困などが背景に思われる「声」も多く届いている。そんな子どもたちの「声」を受け止め、社会に発信している。
これからめざしたいこと
子どもの「声」を受け止めることで、生きづらさを抱える子どもたちに、子どもが子どもとして安心して生きていける環境を作り続けることが大切である。「子どもの権利条約」を理解し、「子ども一人一人がそのままでいいんだよ」と伝えていきたい。一人でも多くの子どもたちに笑顔を。
コープやまぐち奨励賞
小郡図書館友の会鉢の子
(地域づくり分野/山口市)
活動の目的
「小郡に素敵な図書館が欲しいね」という地域住民の声からうまれた『小郡町の新しい図書館づくりをすすめる会』を経て、2008年図書館リニューアルを機に新しい組織を作り、図書館友の会として活動を開始する。
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1.子どもから大人まで楽しめる読書イベントを企画開催している
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2.図書館が持つ豊かな資料や情報を活用できることを知っていただき、様々な課題を解決するために図書館が活用できることを体験していただく
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3.図書館や地域から情報を発掘し、次世代に伝える
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4.関係機構や団体と連携して図書館活動を広げていく
活動の内容


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1.毎月読書に関する計画・実施(令和4年(2022)実績)
1)科学教室「なぜ飛ぶの?なぜ渡るの?身近な鳥の不思議」
2)戦争と平和のおはなし会
3)山口線100周年記念企画「架空列車をデザインしよう!」
4)ブックカフェ&ブラインドブックマーケット
5)ビブリオバトルin小郡 等
図書館内でのイベントに限らず、「飛び出す図書館」をイメージして、様々な場所(新山口駅自由通路やMegriba等)でも、上記、3や4のようなイベント等を開催。また、イベントの折には、図書館内外で司書の選書による関連資料を紹介し、多くの来館者に関心を持たれている。 -
2.他団体や地域住民との連携
・未来鉄道少年クラブによるNゲージ作成・展示
・小郡みんな食堂「こどもSDGsカフェ」で環境を考える絵本の紹介
・山口県図書館友の会連絡交流会、研修会参加
・前小郡総合支所長による「元号でたどる 小郡の発展」等
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3.図書館資料の活用からの発展
図書館(司書、資料)を活用して、『小郡の偉人 葛原猪平』のレポートを作成し、勉強会を開催。葛原の偉業は、地元の小郡よりも他県で顕彰されていると知り、「講談会 ふるさと小郡の偉人葛原猪平伝」を開催、多くの方に知ってもらうことができた。現在、紙芝居を作成中。
これからめざしたいこと
様々なイベントを企画し、活動することで、たくさんの人たちと知り合いお互いの活動を深め広げることができている。また、図書館で講座やイベントを開催するメリットは、テーマに関連した資料が図書館から提供されて、参加した方たちに知識や興味を広げるきっかけをつくることができるからである。今後も、多くの人に図書館の価値を知って利用してもらうため、活動していきたい。
コープやまぐち奨励賞
布絵本「結う」
(くらしづくり分野/防府市)
活動の目的
手作り布絵本を通して、親子が笑顔で心の触れあう場所や時間をもってほしいと『結う』を立ち上げた。『結う』という名前は心と心を結ぶ「結」、優しさの「優」あなたという「you」、遊び心の「遊」、「友」など、いろいろな思いがこもっている。【すべての子どもに本の喜びを】の理念から生まれた布絵本。健常児も障がいのある子も、そして高齢者まで楽しめるワクワクする布絵本を制作し、心のバリアフリーとなることを目指している。0歳から100歳まで!!
活動の内容


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1.文章・絵を一から創作したオリジナルの布絵本制作に取り組んでいる。物語絵本だけでなく、指先の訓練にもなる仕掛け絵本・布で作ったままごとセット・街の風景・自由に貼りつけながら楽しむ、海や動物のタペストリー・パネルシアターなど、多くの作品を制作。また、防府図書館に寄贈した布絵本は、一般貸出され、幼稚園やおはなし会グループ等で活用されている。
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2.コロナ禍で、外部の交流が難しくなったため、図書館で布絵本を使った「ゆうちゃんおはなし会」を定期的に開催。(現在は支援学校など外部活動も再開)
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3.子育て支援の一環として、親子で布絵本制作を体験する講習会。世界に一つだけのMy絵本を。
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4.高齢者施設では、昔話絵本・神経衰弱のような絵合わせ・タペストリーを使って季節の歌を歌うレクリエーションなど、布の触り心地とともに楽しんでいただいている。
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5.布絵本のメンテナンスや古布の再利用もしている。
成果
文字のない布絵本では、母親が言葉を添え、親子で一緒に物語を紡いでいるので、布絵本を親子のコミュニケーションのツールとして活用されている。子どもだけでなく、高齢者にも受け入れられていて、柔らかい布にぬくもりと優しさを感じていただいている。
これからめざしたいこと
活動により、人の輪が広がっていくことは『結う』の財産である。今後とも仲間と一緒に質の向上に努め、誰もが楽しめて、笑顔の生まれる布絵本制作に励み、たくさんの人たちに手に取ってもらう機会を増やしていきたい。心のバリアフリーをめざし、人の輪を広げていきたい。
コープやまぐち奨励賞
朗読劇やまぐち
(くらしづくり分野/山口市)
活動の動機
玉川大学(故)岡田陽先生の朗読劇講座が山口で開催されたのを機に、朗読劇の魅力に目覚め、宇部・山口・防府・長門の朗読劇連合会として活動を開始した。その後、宇部・長門の解散により、2018年4月から「朗読劇やまぐち」として単独で活動することになった。
活動の目的
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1.会員の融和を図りつつ、生涯学習として朗読劇の普及・向上に努める
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2.学習成果を、講演などの形で幼児から高齢者まで幅広い世代に公表し地域に貢献するよう努める
活動の内容


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1.依頼を受け、以下の公演を山口市内で行う
・子育て支援サークル「太陽クラブ」
・婦人学級「えびすサークル」「小郡女性学級」
・放課後児童クラブにおける夏休み公演
・山口県児童センター
・本屋(TSUTAYA)で毎月定期公演
・地域のふるさと祭り 等 -
2.定例会
月に2回、公演に向けての練習や準備、打ち合わせ等を行う。演目選択・台本作成・衣装・小道具・音響・配役・舞台表現指導等々、メンバーの得意分野や本来持っている個々人の持ち味を生かすよう心掛けている。
成果
朗読劇の従来のスタイルは、朗読によってイメージを膨らませてもらい、衣装や、小道具を用いる場合は象徴的なものに限定してきた。ただ、近年子育てサークルや本屋での新たな公演場所では、観客が乳幼児を連れた親子連れが多くなった。小さな子でもわかるように、音楽や振り付けを前面に出した演目や演出を工夫し、幼児の生活に密着したテーマを持つ大型絵本などをも用いるようにしてきた。おかげでコロナ禍にもかかわらず、公演場所や回数が増え、多くの人々へ幸せ感と元気を届けることができている。
これからめざしたいこと
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1.朗読劇を志すほかのグループとの交流・研修会をますます活性化し、横への活動範囲が広がることを心掛けたい
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2.朗読劇の体験講座を開催し、老若男女、朗読劇人口の増加につなげたい
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3.「言葉で奏でる」朗読劇の魅力をより多くの方々に体験してほしい
コープやまぐち奨励賞・
学生の部
子ども居場所づくりボランティア
(福祉分野/山口学芸大学)
活動の動機・目的
ひとり親家庭や不登校児童・生徒を対象に支援を行っており、教職・保育者を目指す私たち学生にとって、大変役に立つと考えたからである。また、地域の子どもたちが安心して暮らすことにつながり、地域の活性化の一助になることを目的としている。
活動の内容


母子生活支援施設「沙羅の木」が運営する〈IBS クラブ〉で、週に1~2回、「沙羅の木」を退所した小中学生やその友達を対象に、学生たちが交代で、以下の活動を行っている。
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1.学習支援
子どもたち一人ひとりにつきながら、宿題をみたり教えたりしている。学習の習熟度は、子どもによって差があるため、それぞれに合ったワークブック等を活用しながら、少しでも学習の時間を確保できるよう工夫している。 -
2.遊びの支援
宿題が済めば、子どもたちと一緒に室内でボードゲームをしたり、外で鬼ごっこや縄跳びをしたりする。 -
3.食事支援
沙羅の木の職員や地域のボランティアを中心に、食事の提供が行われている。調理や配膳等を手伝い、子どもたちと一緒に食事をとる。 -
4.体験活動
学生が企画・準備をして、七夕や夏祭り、ハロウィン、クリスマス、節分等の行事やイベントを子どもたちと一緒に楽しんでいる。 -
5.活動のふりかえり
その日の子どもたちの様子や活動内での改善点等を共有し、今後の活動に生かす。一人ひとりの子どもに合った声かけのタイミングの対応等を皆で共有し、次回の活動に生かしていけるよう心がけている。
これからめざしたいこと
まだ支援が届いていない家庭の子どもにも、あまねく支援が行き届くようになればいい。〈IBSクラブ〉は、ひとり親家庭の子どもたちを対象にしているが、こういう場所があることを知らない保護者もたくさんいる。学習の遅れから不登校になる子も多いが、〈IBSクラブ〉に来るようになって、学校復帰した子もいる。安心を共有する場としても、〈IBSクラブ〉を利用してほしい。将来、教員を目指す私たち学生たちにとって、教育実習だけでは関わることができない、様々な背景がある子どもたちと毎週のように関わることで、自分自身の成長にも繋がる。そして、このボランティアから得た経験をもとに、学校や学級が居場所であると思えるような環境づくりに努めたい。
コープやまぐち組合員賞
ママバンド
(子育て分野/山口市)
活動の動機
学生時代の部活動などで楽器の演奏を経験していたが、子育てを機に、好きな音楽から遠ざかっていた。しかし、ママになっても好きなことはあきらめないという思いを持つ仲間を得ることで、子育てが一層楽しくなることを感じて、10年前に結成。
活動の目的
子育て中の親子が一緒に生の音楽に触れる機会を持つことで、ともに山口で子育てをする仲間として支え合い、孤立を防ぎ生活を豊かにする。さらに、ママの力でやまぐちを元気にしたいという気持ちで地域を盛り上げることを目的とする。
活動経緯と内容


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1.演奏活動
以前は、月に3~5回のペースで年間33回の演奏を行っていた。コロナ禍により、舞台が中止になったが、コロナ禍前に戻りつつある、直近は年間20回程度の演奏会を行った。
・山口市内の小学校・幼稚園、保育園、児童館で演奏
・地域のイベントやお祭りで演奏(仁保の郷みんなのマルシェ、子育て支援センター「てとてと」のオープニング)
・市外で演奏(天神街角フェスタ、県民活動フェスタ等)
・児童センターファミリーコンサート
・レパートリーは60曲を超える。ジブリやディズニー、アニメや朝ドラ、童謡から嵐の楽曲まで幅広く演奏。演奏する場所やお客の年齢層、イベント主催者の要望や季節に合わせて曲を選び、生のバンド演奏を多くの方に楽しんでもらっている。 -
2.コロナ禍での演奏活動
合奏の様子をリモート動画にして、SNSで8回の配信を行った。演奏だけでなく、子どもたちが歌やダンスに参加し、1500人近くの閲覧があった。
活動の成果
ママバンドに入っていることで、親子ともに校区や地区を越えた交流ができる。メンバーみんなで子どもたちの成長を見守りながら、協力し合って音楽を楽しみ、ママ自身のコミュニティが広がる。どんなに仕事や育児が忙しくて大変でも、「これ」があるから私たちは頑張ることができる。
これからめざしたいこと
活動も10年目となった。小さい子どもを連れてこられる「気楽な演奏会」として多くの方に演奏を届けられるよう、さらに活動の幅を広げていきたい。
コープやまぐち組合員賞
寺こ屋 さきどなり
(子育て分野/岩国市)
活動の動機
小学校に勤務していた代表。学習・生活指導だけでなく、多岐にわたる仕事を抱えた学級担任の様子から、個に応じた支援の必要性を感じていた。そして、絶えず言葉をかけ、認め、ほめることで、子どもは変わることを実感した。退職して、子どもと親の居場所づくりに取り組む。
活動の目的
子どもを取り巻く環境の変化により、子育てに不安を抱える親が多いこと。また成長に応じた支援が不十分と感じることから、個に応じた教育や、地域・異年齢での交流、体験を重視した取り組みで、子ども一人ひとりの成長や伸びを認め生きる力を育むことを目的とする。
活動の内容


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1.子どもの学習支援
・平日は週に3回 幼稚園や小学校終了後2~3時間 夏休みは、お弁当持参で、朝から晩まで8時間程度 ・勉強をする子、絵を描き工作をする子、ゲーム、折り紙や読書、目の前の海で泳いだりして思い思いに過ごす。ただし、全員、宿題は必須。その子の苦手意識を取り除き、主体的に取り組むための学習支援、絵画作成、習字等により、達成感・充実感を味わわせ、自己肯定感を育んでいる。 -
2.異年齢の交流体験・自然体験
そんな環境の中、保育園から中学生までの異年齢の交流、異校種・他校の子ども同士が学び、体験を通して違いを認め、人と関わりつながることの楽しさを知ると共に感謝する心を育む。 -
3.子育ての悩み・アドバイス
子育ての悩みは、精神的に保護者を追い詰める。話を聞いたり、経験上得たことのアドバイスをしたりするだけで、ゆとりをもって子育てができるようになる。円滑な親子関係・家族関係づくりのための支援に心がけている。
これからめざしたいこと
コロナの流行で活動は限られたものになった。しかし、子育てに悩む保護者が多いこと、子どもの遊びが偏っていること、人間関係の構築ができにくい環境であることは以前にも増して厳しい。体験的な活動を取り入れながら、「子どもが主体的に取り組む学習や書画製作、自己選択、外遊びの場の設定」「保護者が時間を有効に使い、精神的なゆとりが得られる場の設定」に努めたい。子どもが持つ無限の可能性。その子に応じた教育。側で見取り、認め、ほめて育てる。「人生のさきとなり」を掲げ、自然とつながり、人とつながり、「ありがとう」の心でつながることを大切に、これからも活動を進めていきたい。
選考委員長講評
梅光学院学院長・梅光学院大学学長
樋口 紀子
「女性いさいき大賞」は今回で17回目を迎えました。今回の応募団体は21団体で、応募数としては去年同様少ないですが、コロナ禍にあっても工夫をして活動を継続していた団体が応募して下さっています。また、去年と同様に新規応募団体(14団体)が多かったことも今年の特色です。また、子育て分野では子どもを育てるというよりも、生きづらい子どもたちが増えている中、そのくらしを社会で守るという活動が多く、社会問題の提起と考えられます。
1次選考では12団体にしぼり、2次選考で優秀賞4国体を、その中から最優秀賞を選びました。評価基準は活動の継続性、地域への広がりやその影響力、独自性、今後の可能性等です。
最優秀賞は厳正な審査の結果、最優秀「Kananowa」(子育て分野/下関市)が選ばれました。今、社会の中で生きづらさを感じている子どもたちに対して、何とかしようという思いを持って活動していることが評価されたからです。奨励賞の3団体も今後の活躍が期待されるということで選ばれました。学生の部では「子ども居場所づくりボランティア」が受賞しました。コロナ禍でも活動が継続されたことが評価されました。
最優秀賞、優秀賞団体の授賞理由は以下の通りです。
「Kananowa」
(最優秀賞・山口県知事賞):子育て分野
難病で他界した元教師の生き方に触発されて団体を立ち上げ、その後、ほぼ毎日自宅を開放し、学習を手助けするだけではなく、夜食までを提供するという子どもたち一人ひとりの状況に寄り添う活動が評価されました。その行動力や実行力に頭が下がる思いがします。また、地域のボランティア、企業や他団体とのつながりが活動を支えている面は、これからのボランティア団体の活動の指針を示すものでもあると思います。この団体を中心に子どもを支える社会の仕組みづくりができるよう期待しています。
「特定非営利活動法人ふらっとコミュニティ」
(優秀賞・朝日新聞社賞):福社分野
精神障害やひきこもりの人たちの居場所づくりをしている団体です。中高年のひきこもり者が増える中、両親が高齢になり社会問題となっています。また、努力して就労しても、それが継続されるためにはアフターフォローも必要です。非常にセンシティブな環境の中、当事者たちが少しでも居心地よく、来たくなる居場所づくりに尽力、「まれていることが評価されました。
「阿東を盛り上げたい女性のネットワーク(あともり)」
(優秀賞・yab山口朝日放送賞)
:地域づくり分野
中山間地域で、高齢者の多い阿東地域を盛り上げようと、様々なイベントを企画したり、工夫して、特に女性を阿東に呼び込む活動をしているところが評価されました。地方に行けば行くほど、高齢者や男性といった方たちが目立つ中、若い女性が田舎で暮らすことをネガティブに捉えず、田舎暮らしの楽しさを伝えていこうとする団体への注目度は高いと思われます。
「チャイルドラインしものせき」
(優秀賞・山口新聞社賞):くらしづくり分野
11年間地道に全国の子どもの「声』を聴き続けてきた活動が評価されました。「声」を聴き続けることは、献身的でとてもエネルギーのいる活動だと思われます。そして、その「声」を聴いてもらった子どもたちは生きる勇気や元気をもらったであろうことが容易に想像できます。この子どもの暮らしを支える活動はもっと光を当てるべきだとの意見もあり、優秀賞を差し上げることとなりました。